相続放棄について
2014年12月2日
2014年12月2日
相続財産は、プラスの財産とマイナスの財産があります。
プラスの財産は、土地建物や預金、株式などが代表的ですが、マイナスの財産は借金のことです。
最近は、多額の借金を残されて亡くなる方も増えています。
相続が起こると、残された家族は、次の3つの中から選択します。
ひとつは、全部(土地・建物・預金などのプラスの財産と借金のマイナスの財産)を相続する。
(単純承認といいます)
二つ目は、すべて放棄する。
三つ目は、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する。(限定承認)
二つ目の”放棄”を選択する場合、ただ単に、”放棄しました”と言うだけではだめです。
亡くなったことを知ってから、3ヶ月以内に家庭裁判所に放棄の申し立てをしなければいけません。
この放棄というのは、単独(相続人が複数いても)でできます。
ただし、一度放棄をしてしまうと、後から多額の財産が出てきたとしても、放棄の撤回はできませんから
気をつけてください。
”3ヶ月”の期間というのは、すごく短いものです。
その間に財産と借金を調べて、どうするかを決めるのはかなり困難です。
”3ヶ月”が困難な場合、家庭裁判所に”期間伸張(しんちょう)”の申し立てができますので、
いざというときのために覚えておいてください。
最長で12ヶ月以内にしてもらえる場合があります。
また、放棄の際の注意点としては、財産に手をつけてしまうと、放棄できなくなってしまいます。
例えば、亡くなった方の預金から借金の一部を返済するとか、財産を売却をしてしまうといったような
行為は、先ほどの一つ目の”単純承認”をしたとみなされますので、気をつけてください。
また、相続人の一人が放棄すると、相続人の順番が次の人に繰り上がっていきます。
例えば、相続人が配偶者と子供が一人の場合、子供が放棄すると、相続人の順位が変わり、
配偶者と親(既に亡くなっていれば、兄弟に順位が移ります)になります。
その場合、放棄した子供は、親にその旨を伝えないと、親と配偶者がその借金をかぶることになります。
もし、親も放棄するなら、家庭裁判所への申述期限は、子供が家庭裁判所からもらった”放棄の承認書”の
日付から3ヶ月以内なので、期限にも注意してください。