相続時精算課税制度のデメリット
2014年12月22日
2014年12月22日
今回は相続時精算課税制度のデメリットについて考えてみます。
①生前贈与財産の値下がり
贈与時の時価で、相続のときに取り込まれるため、相続時にその財産が値下がりをしていると損に
なってしまう。
例えば、自社株式を生前贈与し、相続時には倒産して自社株式が0円となっていても、
相続時には贈与時の価額で計算されることになる。
②暦年課税方式(基礎控除110万円)に戻れないし、使えない
暦年課税を使えば、基礎控除110万円を利用して、相続開始3年以内の贈与を除けば相続時には
取り込まれない。
したがって、複数人に中長期にわたって贈与を行えば、かなりの財産を贈与することができる。
相続時精算課税制度の場合は、何年前のものであっても相続時に合算されて精算されるため、基本的に節税
にはならない。
③小規模宅地の評価減が使えない
相続時精算課税制度を利用して贈与された土地は、相続時に小規模宅地の評価減の適用がないため、
贈与する財産を十分に検討する必要がある。
④物納ができない
相続時精算課税制度を利用して贈与された土地は、相続時の納税方法としてその土地を物納できない。
⑤税制改正のリスク
現時点では、相続税がかかるほど財産が多くない世帯でも注意が必要である。
つまり、現時点では相続税の基礎控除以内のため、相続時精算課税制度を使って生前贈与をしたとしても
非課税だとしても、平成27年から相続税の基礎控除の引き下げが行われるため、
相続税の計算に取り込まれて税額が出てしまうケースが生じる。
この場合に、暦年課税を使っていれば取り込まれなくて済んだという結果になりかねないので注意が必要です。