相続税申告期限後の特例適用
2016年8月4日
2016年8月4日
相続税の申告期限までに分割協議が調わなかった場合は、法定相続分で取得したものとして申告・納付
する必要があります。この場合は、配偶者の税額軽減(優遇規定)、小規模宅地等の評価減の特例
などが、適用できないものとして、いったん申告と納税をしなければなりません。
そのため、納税がかなり増えてしまうことになりかねず、納税資金等に支障をきたす場合も考えられます。
申告期限までに分割協議を調えることはメリットは大きいのですが、調わなかった場合を考えてみましょう。
この場合でも、相続税の申告書に『申告期限後3年以内の分割見込書』(様式あり)を添付しておきます。
この書類を提出しておくことで、実際に3年以内に分割協議が成立し、その日から4か月以内に、税務署に
配偶者の税額軽減規定や小規模宅地等の評価減の特例適用を受ける旨の更正の請求(相続税の還付)をすると、
多めに支払っていた相続税を取り戻すことができます。
さらに、申告期限後3年が経ってもまだ分割できていない場合は、
『遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書』を3年を経過する日の翌日から
2か月以内に提出しなければなりません。この場合は、税務署長の承認を受けなければ認められません。
認められるケースとしては、訴えの提起、和解等の申立て、遺産分割の禁止等がされている場合
などの訴訟手続等の一定のやむを得ない事情があるときに限り承認を受けることができます。
したがって、単に分割協議が難航しているだけでは、承認されないことがあります。
いづれにしても、分割協議は一日でも早く調えることが、納税面やその後の資産運用や円満な家族関係の継続
などの安定につながっていくものとなると思われます。