特別寄与料について
2019年5月9日
2019年5月9日
令和元年7月1日以後の相続発生から、特別寄与料という取扱いが始まります。
これは、相続人以外の親族が、被相続人の療養介護等を行った場合に、相続人に対して、
金銭の支払い請求ができるというものです。
例えば、父(母は既に他界)と、子3人(長男(既に他界)、長女、次男)の場合で
亡き長男の妻がずっと、義父の介護をしていたときを考えてみましょう。
もし、父が亡くなった場合、長男夫婦に子がいないときは、相続人は、長女・次男の
2人になります。
となると、長男の妻はずっと義父の世話をしていたにもかかわらず、相続人ではないため遺産がもらえません。
その一方で、長女・次男は相続人のため遺産をもらえます。
これでは不公平です。
そこで、法律で手当てしたわけです。
長男の妻は、長女・次男に対して特別寄与料の請求ができるようになります。
この場合、長男の妻は、その金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなされ、
相続税の対象になります。その一方で、金銭を支払った長女・次男は、相続税の価格から
控除することができます。
注意点は、特別寄与料の請求には期限があります。
特別寄与者が相続開始を知ったときから6か月経過した場合、又は相続開始を知らなくても
1年経過した場合は、権利が消滅してしまいます。
この制度は、特別寄与者にとって朗報といえますが、相続税申告を行うために
被相続人の財産の状況を知る必要があるため、相続人の理解・協力が不可欠になってきます。