相続法(民法)改正について
2019年2月3日
2019年2月3日
相続に関する民法が1980年以来、約40年ぶりの改正になりました。
主なものは、以下になります。
1.残された配偶者が住み慣れた自宅に住み続けることが可能になる『配偶者居住権』の創設(2020年4月1日~)
2.相続人ではない親族(例えば長男の嫁)が亡くなった方の介護や看病で貢献した分を相続人に金銭請求が可能になる(2019年7月1日~)
3.自筆証書遺言に添付する財産目録について、パソコン作成が可能になった(2019年1月13日~)
4.法務局で自筆証書遺言を保管してくれ、家庭裁判所による検認がいらなくなる(2020年7月10日~)
その中で『配偶者居住権の創設』についてみていきましょう。
法律の趣旨は、残された配偶者のその後の生活の安定を図ったものです。
例えば、亡くなった父の財産が自宅のみで、その配偶者と長男が相続人だったときは、法定相続分は1/2づつです。
長男はお金が必要な事情(住宅ローン、教育費、生活費等)があったとき、
両親が住んでいた自宅を売却して、その現金で1/2づつにしてほしいという意向がありました。
その場合、残された配偶者はやむを得ず、住み慣れた自宅を売却せざるを得ないことも考えられます。
しかし、この改正によって、自宅を『所有権』と『配偶者居住権』の2つに分け、長男が『所有権』、
残された配偶者が『配偶者居住権』を取得するようにして、自宅の売却を防ぐということができるようになります。
そのため、長男は父が住んでいた自宅売却を思いとどまり、現金は別の形で工面する必要がでてきます。
また、自宅+預金2千万を父が遺していた場合は、
残された配偶者は(『配偶者居住権』+預金1千万円)、
長男(『所有権』+預金1千万円)という分け方が可能になります。
つまり、残された配偶者を保護するという規定になっています。
適用は2020年4月1日~になります。